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イギリス王室が紡ぐ馬との絆

“A horse, a horse! My kingdom for a horse!”

 

1591年にイギリスで初演された、シェイクスピア『リチャード3世』の名セリフが、イギリスロイヤルファミリーと馬との関係性をこれほど永く象徴するとは、さすがの大文豪も想像していなかったと思いますが、
この時すでにイギリスでは世界初の競馬場『チェスター競馬場』が設立されて半世紀を迎えようとしていました。

 

現在のイギリスでも、競馬はフットボールに次ぐ第二位の動員数を誇り、起源を持つだけではなく、名実共にイギリスが競馬の聖地であると認識する人も少なくありません。

 

その中でも特に代表的なのが、英国王室が馬主となり競馬を愛しているという事実です。

 

実は英国の競馬史は、先ほどのシェイクスピアの時代のすぐ後に一度途絶えています。
清教徒革命(1642~)は競馬、演劇等のあらゆる娯楽を弾圧し、再び聖地として返り咲くのは王政復古の大号令(1660年)後のチャールズ2世治世下を待たなければなりません。

 

つまり、英国王室にとって馬とは、①騎馬での先陣を切る務めを持つ軍事の象徴 ②清教徒革命前後を繋ぐ治世の象徴 という2つの要素を持つのです。

 

16世紀の娯楽文化を支えたのがエリザベス一世なら、現代で馬好きとして有名なのは故エリザベス2世です。

https://www.25ans.jp/princess/british-royal-family/g32749328/elizabeth-200603/

エリザベス2世は3歳から馬に乗り、若いころは自らレースにも出場していました。ブリーダー、騎手、馬主の3役をこなし、過去30年間で約10億円の馬主としての収入を獲得していたようです(2017年時点)。
90歳を過ぎても乗馬を続け、生涯を乗馬とともに歩んでこられたと言っても過言ではありません。
以下は端的ながら、女王がはじめて馬の触れた感動を生涯大切に守られたことを伝えています。

 

“作家ミヒャエル・モーパーゴはウィンザー城に女王陛下を訪ね、昼食を共にしたことがある。そこで馬への愛について語りつくしていたそうだ。モーパーゴによると、女王が馬を好きになったのは、子供の頃ポニーの首を撫でたときに「暖かいベルベット」のような感触に感動したことが始まりだという。”

※引用:https://www.tatler.com/article/the-queen-is-back-in-the-saddle-again-despite-mobility-issues

https://www.25ans.jp/princess/british-royal-family/g32749328/elizabeth-200603/

エリザベス2世亡き後、愛馬たちはチャールズ現国王に引き継がれました。
世の中が急激に変化していく現代で、英国王室と馬が今後どのような繋がりを紡ぐのか、競馬や王室ファンならずとも気になるところです。

 

さて、関西では毎年、エリザベス女王杯という競馬レースが行われています。
英国王室が生んだ娯楽が今、こうしてその名を冠したまま日本の関西で親しまれているというのは、改めて馬を愛する人々の伝播力を思わずにはいられません。

 

神戸乗馬倶楽部も、小さいお子様向けのポニー体験や一日乗馬体験など、気軽に「はじめての乗馬」に出会えるきっかけをご用意しております。

 

エリザベス2世が初めて馬に触れた時の「暖かいベルベットのような感触」を、あなた自身の指で確かめてみてください。

 

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