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神戸乗馬倶楽部の楽しい日々をブログでご紹介します

五輪経験者・奥野竜三が語る「乗馬の魅力」(一)

「オリンピックに行けると決まったときは、夢が叶った瞬間でした」
ソウル(1988年)、バルセロナ(1992年)で障害馬術に出場した奥野部長は、当時の気持ちをそう振り返りました。お父様の影響で、馬に乗り始めたのは4歳のとき。意外にも、高いところが苦手なのだそうです。「それなのに馬に乗るとまったく怖くなくなるから不思議ですよね」と話してくれました。今回、連載企画として、乗馬の魅力を語ってもらいます。

 

年齢に関係なく、ずっと続けられるスポーツ

―パリオリンピックでは、日本が92年ぶりに総合馬術団体でメダルを獲得しました。「初老ジャパン」の活躍をきっかけに、乗馬が多くの方の目にとまったと思います。「初老」であの結果が出せるということですが、だいたい何歳ぐらいまで続けられるスポーツなのですか?

奥野:種目にもよりますが、60代で世界に通用する選手もいます。ソウルオリンピックの馬場馬術で出場された井上喜久子さん(当時63歳)もその一人。ロンドンオリンピックに史上最高齢で出場された法華津寛さんは、81歳の今も現役で活躍されています。一度好きになれば、ずっと続けられるスポーツです。

 

―乗馬は、体力や筋力が必要なイメージがあるのですが?
奥野:確かにそういった一面もありますが、経験と技術でカバーできます。大事なのは馬に乗った回数を増やすこと。それにより体感が培われ、上達につながります。基礎が体得できれば、馬上におけるバランスについては自転車のように、ブランクがあっても身体が覚えています。

 

乗馬は馬との信頼関係

―ほかに必要な要素は?
奥野:馬との信頼関係を築くということです。信頼関係を築くには、たくさん愛情をかける。そして信頼して乗ること。そういうふれあいによって、馬の機嫌や癖、調子がわかるようになります。
厩舎での準備、トレーニングが終わった後のお手入れなど、馬と触れ合う時間は本当に大切な時間です。

 

-競技で結果を出すためにも信頼関係が必要ということですね?
奥野:馬術における騎乗者の役割は、馬の能力を最大限引き出すこと。馬のポテンシャルが高くても、騎乗者がその役割を果たしていなければ、望むような結果を得られません。また、騎乗者の気持ちが馬には伝わります。
良い成績が出せる選手と馬は、お互いに技術を高めあい、信頼関係を築いてきているのですが、競技場でも安定したこころでいて、たくさん寝て、食べて、動いて…ともにその「とき」を過ごしています。

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